整形外科の上肢外科領域は極めて繊細で複雑な構造のため治療に難渋することが多く、とても専門性の高い特殊な分野です。手・肘の外科や上肢領域の末梢神経障害、骨軟部腫瘍に対して、日本手外科学会が認定する手外科専門医が診療を担当します。当院は日本手外科学会が定める基準を満たし、2024年7月より日本手外科学会認定研修施設(基幹)となっています。
また、肩関節の障害(スポーツ障害や変性疾患)に対しては、肩関節専門の医師が診療を担当します。
上肢の痛みや可動域制限、しびれ、手指の感覚麻痺(感覚が鈍い)や運動麻痺(動かせない)、変形など
まず患者様の問診を行い、身体所見をとります。そして検査として、X線、超音波検査、CT検査、MRI検査、電気生理学的検査(神経伝導検査、針筋電図検査)などを行います。正確な診断を行い、適切な治療計画を立てます。手術加療以外にも、投薬や注射、装具による保存治療も積極的に行っております。保存治療を行うか、あるいは手術療法を行うかについては、患者様ひとりひとりの生活背景や活動性、スポーツ競技内容などを踏まえて決定します。手術は日帰り手術・入院手術いずれも手術内容に応じて選択することができます。また、当院で内視鏡を用いた低侵襲手術や神経損傷に対するマイクロサージャリーなども積極的に行っております。いずれの治療法においてもリハビリテーションが重要な役割を果たしますので、担当の専門医から適切な指示を行います。
また、当院では上肢領域の難治性疾患に対する再生医療も行っています(自費診療)。
術式 | 2024年 | 2023年 |
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鏡視下肩腱板修復術 | 38 | 42 |
鏡視下バンカート修復術(烏口突起移植術含む) | 20 | 12 |
その他の肩鏡視下手術 | 3 | 11 |
肘鏡視下手術 | 5 | 3 |
手鏡視下手術 | 12 | 10 |
手根管開放術(鏡視下含む)・母指対立再建術 | 36 | 13 |
人工肩関節置換術 | 12 | 5 |
人工肘関節置換術 | 2 | 0 |
人工指関節置換術 | 9 | 5 |
腱鞘切開術・腱剥離術・腱滑膜切除術 | 28 | 17 |
腱縫合術・腱移行術・腱移植術 | 15 | 6 |
靱帯縫合術・靱帯再建術 | 4 | 1 |
神経剥離術・神経移行術 | 8 | 2 |
神経縫合術・神経移植術 | 2 | 2 |
関節形成術・関節固定術・関節授動術 | 8 | 4 |
関節滑膜切除術 | 4 | 1 |
骨軟部腫瘍切除術 | 9 | 8 |
骨折観血的手術、鋼線刺入固定術 | 78 | 44 |
変形治癒骨折矯正手術・骨長調整手術・偽関節手術 | 6 | 4 |
骨内異物除去術 | 19 | 5 |
その他上肢手術 | 4 | 5 |
合計 | 322 | 200 |
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
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![]() | <役職> 整形外科医長 手外科・上肢外科センター長 <専門> 手肘の外科、末梢神経障害 <出身> 慶應義塾大学医学部(2009年卒業) | 日本手外科学会認定手外科専門医 日本整形外科学会整形外科専門医 日本整形外科学会認定リウマチ医 日本整形外科学会認定スポーツ医 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 医学博士 慶應義塾大学整形外科 非常勤講師 |
![]() | <役職> 総合スポーツ医学センターセンター長 <専門> 肩関節外科、スポーツ整形外科 <出身> 北里大学医学部(2004年卒業) | 日本整形外科学会整形外科専門医 ヤクルト球団診療所管理者 慶應義塾体育会水泳部競泳部門チームドクター |
![]() | <役職> 非常勤 <専門> 上肢(手~肩) |